「動くのが怖い」——それは、おかしいことじゃない
心臓に不安を抱えている方にとって、「運動しましょう」はプレッシャーです。
動いたら心臓に負担がかかるんじゃないか。
症状が出たらどうしよう。
Bさん(仮名)は、ステントを入れた後、お酒を飲むと12時間後に胸がキュッとなるようになりました。怖くて、大好きだった卓球をやめ、山登りをやめ、サイクリングもやめました。
動くのが怖い。
その気持ちは、間違っていません。
考え方①|最初は「コンディショニング」から
「運動」と聞くと、走ったり筋トレしたりするイメージがあるかもしれません。
でも、私が最初にお勧めしているのはコンディショニングです。
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具体的には——
- 肩回し
- 腰回し
- 体幹ひねり
- 体幹側屈
この4種類。座ったままでもできます。
目安は、心拍数が安静時から+10以内。
ほとんど心臓に負担をかけずにできる動きです。
もっと怖い方には、こう言います。
「靴を履いて外に出て、空気を2〜3回吸って帰ってきてください。それだけでいいです」
考え方②|中等度の運動が一番安全
意外かもしれませんが、正しく動くことは心臓を守ることにつながります。
Bさんの場合、コンディショニングから始めて、通勤を歩きに変え、徐々に強度を上げていきました。そしてエアロバイクを導入し、やがて山登りにも、卓球にも復帰されました。
大事なのは「ニコニコペース」。
息が軽く弾む程度。笑える余裕がある強度です。
翌日に疲労が残ったり、食欲が落ちたりしたら、やりすぎです。
爽やかな汗で終われる運動が、心臓にとって一番いい。
考え方③|怖い気持ちにふたをしない
「怖くないですよ」「大丈夫ですよ」
私は、この言葉を絶対に使いません。
怖いものは怖い。
その気持ちを否定したら、信頼関係は生まれません。
代わりに、こう聞きます。
「どんな場面で怖いと感じましたか?」
「一番心配していることは何ですか?」
怖い気持ちを言葉にする。
感じたことと、実際に起きたことを、事実として確認する。
それを繰り返すうちに、怖さは少しずつ和らいでいきます。
自己流の危険性
ただし、1つだけ注意があります。
自己流で運動すると、真面目な方ほどやりすぎます。
「もうちょっと」「もうちょっと」と頑張ってしまい、症状が出ているのに気づかない。
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振り返りが大切です。
- 今日の運動はどのくらいきつかったか
- 心拍数はどれくらい上がったか
- 症状は出たか。出たなら、どう落ち着いたか
この確認を毎回行い、次に反映させること。
これが、安全に運動を続ける鍵です。
⚕️ 運動の開始にあたっては、主治医に相談の上で行ってください。特に心疾患の治療中の方は、運動負荷試験(CPX)を受けることをお勧めします。
心臓ケアについて、もっと詳しく知りたい方へ
「動くのが怖い」は、弱さではありません。
怖いまま、正しく動ける方法があります。
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*心臓ケアコーチ|有吉*
*理学療法士 × 心臓リハビリテーション指導士*