「続けなくていいです」
心臓ケアが続かないと相談された時、私が最初にかける言葉はこれです。
「続けなくていいです」
驚きましたか?
でも考えてみてください。
「続けなきゃいけない」と思った瞬間、それは義務になります。
義務になった行動は、いずれ止まります。
私たちの行動の43%は「自動運転」
ウェンディ・ウッド博士の研究によると、日常の行動の約43%は無意識の習慣です。
歯磨き。靴ひもの結び方。いつもの道順。
考えなくても、体が勝手に動いている。
心臓ケアも、この「自動運転」に載せてしまえばいい。
そのための科学が、習慣の4原則です。
原則①|摩擦を減らす
やりたい行動の前にある「面倒くさい」を、1つずつ消していく。
-
水分補給を例にすると——
- ✕ 冷蔵庫から出す → コップに注ぐ → 飲む
- ◯ 透明ボトル、蓋なし、目の前に置いてある → 飲む
-
運動なら——
- エアロバイクに座ってテレビを見る(漕がなくてもOK)
- 運動着を移動ルート上に置いておく
「やるかやらないか」の判断を減らすことがポイントです。
原則②|他人の力を使う
1人で続けるのは、誰でも難しい。
私のサポートでは、週1回の報告をお願いしています。
Facebookのグループに、今週やったことを投稿してもらう。
人の頑張りを見ると「自分もやってみよう」と思えます。
宣言した人は、やっぱり強いです。
原則③|if-thenプランニング
「○○したら、△△する」と決めておく方法です。
Dさん(仮名)の場合——
「洗濯物が終わったら → YouTubeでエアロビクスをやる」
さらに摩擦を減らすために、お気に入り登録や再生リストも活用されていました。
大事なのは、すでに毎日やっている習慣の直後に新しい行動をくっつけること。
原則④|内的報酬を感じる
ご褒美にケーキを食べる、というのは外的報酬です。
これは長続きしません。
習慣が定着するのは、行動そのものに心地よさを感じた時です。
コンディショニングをした後——
「右側がほぐれた感じがする」
「呼吸が楽になった」
この小さな変化を意識して感じること。
それが内的報酬です。
そしてもう1つ。自己承認。
「今日も背伸びをした。えらい」
それだけでいいのです。歯磨きをしたら、えらい。
この積み重ねが、脳に「この行動は続ける価値がある」と教えます。
挫折は失敗じゃない
続かなかった時、こう思ってください。
「挫折は、計画された予定」
私は、「やった方がいい」とは言いません。
「どこならやっていたと思いますか?」と聞きます。
本人に決めてもらう。
それが、次の習慣を作る力になります。
まとめ
| 原則 | やること |
|——|———|
| 摩擦を減らす | 「面倒くさい」を1つずつ消す |
| 他人の力 | 報告・宣言・仲間 |
| if-then | 既存の習慣に新しい行動をくっつける |
| 内的報酬 | 行動後の変化を感じる・自分を認める |
⚕️ 本記事は行動科学の一般的な知識をもとにしています。
心臓ケアについて、もっと詳しく知りたい方へ
続かなくて当然。
大事なのは、続く仕組みを作ることです。
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*心臓ケアコーチ|有吉*
*理学療法士 × 心臓リハビリテーション指導士*