お腹が出てきたことを、「もう年だから」「ビール腹だから」と笑い話にしてしまうこと、ありませんか。気持ちはわかります。ただ、この状態を医学的に見ると、たとえるなら「命綱なしでバンジージャンプの崖の上に立っている」くらい、生死に直結するリスクだと私は考えています。
体重計の数字だけ追いかけても、意味がない
心臓ケアの本質は、「血管ケア」です。体重という1つの数字を減らすことがゴールではありません。
単純に食べる量を減らすだけのダイエットでは、脂肪と一緒に筋肉まで落ちてしまいます。筋肉が落ちると代謝が下がり、かえって太りやすい体になる。悪循環です。大事なのはタンパク質を減らさないこと。そして、体脂肪率だけでなく、筋肉量とのバランスを見ること。特に下肢の筋肉量は、日頃の生活習慣がどれだけ体に反映されているかのバロメーターになります。
家庭用の体組成計よりも、業務用の体組成計で一度しっかり測ってみることをおすすめしています。自分の「今の立ち位置」が数字でわかるだけで、向き合い方が変わります。
「ごはんを半分戻す」だけで、肝臓外来を卒業した人
ある方は、106kgから88kgまで体重を落とし、脂肪肝がすっきり改善して、通っていた肝臓外来を卒業されました。
この方がやったのは、特別なダイエット法ではありません。「茶碗にご飯をよそったら、何も考えずにその場で半分戻す」。たったそれだけの習慣です。医師に言われてやったのではなく、日常の「習慣の力」で体を変えた。意志の力に頼らず、動作のレベルまで落とし込んだことが、続いた理由です。
我慢は、爆発のもと
体重を気にしすぎて、それ自体がストレスになっている方もいます。「食べてはいけない」と意識すればするほど、逆にそれが食べたくなる。これは自然な心理です。意志の力だけで乗り越えようとすると、三日坊主で終わるか、我慢が限界を迎えて一気にリバウンドが来ます。
大事なのは、我慢に頼らない仕組みを作ること。環境を整え、決まった動作を繰り返すだけで自然と続けられるところまで、段階を踏んで落とし込んでいく。「ごはんを半分戻す」がまさにそうです。考えなくていい。迷わなくていい。その「無理なく続く形」に落とし込めるかどうかが、体重管理の成否を分けます。
まとめ
心臓ケアにおける体重管理は、体重計の数字を減らすことがゴールではありません。血管の状態を守り、筋肉と脂肪のバランスを整えること。そして、我慢ではなく「考えなくても続く習慣」に落とし込むこと。この視点を持つだけで、体重管理への向き合い方は大きく変わります。
※この記事は一般的な健康情報の提供を目的としており、特定の疾患の診断・治療を行うものではありません。体重管理は必ず主治医と相談の上で行ってください。