鍼に通った。整体にも行った。漢方も飲んだ。
どれも真面目に続けました。効果があると聞けば試したし、時間もお金もかけた。それでも、動悸は毎日出ました。
そして、ある時期から何もしなくなりました。サボったのではありません。「何をやっても治らないんだ」と結論が出てしまったからです。その状態が、1年ほど続いたそうです。
動かなくなるのは、諦めたからではない
この「1年間、何もできなかった」という期間を、怠けだと思っている方が多くいます。
でも実際に起きていたのは、こういうことです。
- 期待して試す
- 変わらない
- 落ち込む
- また試す
- また変わらない
これを何度か繰り返すと、脳は「次も同じだ」と学習します。次に何かを勧められても、体が動かなくなる。これは意志の弱さではなく、繰り返しの結果として身についた反応です。
だから、この時期にいる方に「もっと前向きに」と言っても届きません。前向きになれないことこそが、この時期の症状だからです。
鍼も整体も漢方も、「心臓そのもの」に働きかけている
鍼も整体も漢方も、それ自体は悪いものではありません。実際に楽になる方もいますし、効果が出ることもよくあります。私はそれを否定しません。
ただ、これらに共通しているのは、外から体に働きかけて、心臓そのものをどうにかしようとしているという点です。自律神経を通して、あるいは体の巡りを整えて、心臓の状態を変えようとする。
それも大事です。でも、相談の中で私はこう聞きます。「それって、根本的な解決になっていますか」。
ずっとそれに頼らないといけない。一生続けるのか。その問いに、多くの方は「たしかに、ちょっと違うかも」という顔をされます。
そして、もうひとつ聞きます。「そこまでして治さなきゃ、となっているのは、なぜですか。それは心臓が悪いからですか」。
ここで、気づく方がいます。問題は心臓だけではなく、「そこまでして治さなきゃ」と思い詰めている脳のほうにもある、と。外からのアプローチは、心臓には届いても、この部分には届きません。ここは、自分の内側から変わっていくしかない場所です。
また動き出すときの、最初の一歩
「何をやっても治らない」と止まっていた方が、また動き出す。その最初の一歩は、新しい治療法でも、新しいサプリでもありません。
気づきです。
外から変えようとするだけでなく、内側から変えるという考え方がある。自分が変われば、心臓も変わる。この症状の怖さも、変えられる。この立ち位置に立てるかどうかが、めちゃくちゃ大きい。
そこに立てた瞬間が、スタートです。あとは一緒にやっていく。私の役割はそこからですが、立ち位置に立つのは本人にしかできません。
逆に言うと、解決策を外にばかり求めているあいだは、一生そこに立てません。脳は、薬や施術では変わらない。自分でしか変えられない。でも、自分で変えていける。この2つはセットです。
1年間は、無駄ではなかった
止まっていた1年間を、失った時間だと思っている方へ。
あの1年は、「外からのアプローチだけでは届かない場所がある」ということを、体で確かめた時間です。試し尽くしたからこそ、今、内側の話が入ってくる。最初からこの話をされても、たぶん「それより効く施術はないですか」と聞いていたはずです。
止まっていたのではなく、次の入口の前に立っていた。そう捉え直せたとき、体はまた動きはじめます。
まとめ
鍼・整体・漢方を試し尽くして動けなくなったのは、諦めではなく、脳が「次も同じ」と学習した結果です。外からのアプローチは心臓には届いても、「治さなきゃ」と思い詰めている脳には届きません。また動き出す最初の一歩は、自分が変われば心臓も怖さも変えられるという立ち位置に立つこと。そこに立てた瞬間が、本当のスタートです。
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※この記事は一般的な健康情報の提供を目的としており、特定の疾患の診断・治療を行うものではありません。他の治療法を否定するものではなく、継続中の治療は主治医にご相談ください。